技術コラム

建設DXにおける情報配信ツールの選び方

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企業で働くサラリーマンにとって、紙で配られてファイルに整理していた書類はIT化によりデータ化、一部を除く資料意外は、基本的にデータで各PCのハードディスクやサーバー/ストレージで管理されるようになってきました。

技術は進歩しても「あの資料どこだったっけな」と、探し物に関わる悩みは現在も多くの労働環境で発生し続けています。

ある調査によるとサラリーマンの探し物に費やす時間は「年間150時間」もかけられているそうです。8時間労働×実労働日数240日(年)とすると年間労働時間は1920時間、年間労働時間の8%は「探し物」に費やされている計算になります。

※紙とファイル等全て含む探し物時間

これは個人個人に与えられた単一の仕事や役割があり、個人が自由に使う「デスクトップ」が存在する以上、解決する事には大きなハードルがあります。

現場での共有情報は非常に多い

建設現場において考えると、企業は「本社」「支店」「現場」で構成され、特に中規模以上の建設現場においては「元請社員」と10社以上の「下請企業/下請作業員」で構成される事が多く、企業を跨いだ多くのピラミッド構造で成り立っており、進行していく中で人や企業が入れ替わっていきます。

現場での共有情報は非常に多く、日々交わされる「現場方針」「進捗管理」「作業指示」「安全対策・管理」などの情報は、多くの場合優先的に取得できるのは「元請社員」となります。携帯/PC/タブレットを支給されアプリやメール・現場指示を使って情報を配布していきます。

一方で、端末が支給されていない、多くの下請作業員は主に朝礼や打合せでの口頭指示・配布資料や掲示板など、多くの「点」での情報を元に作業を進行していく必要があります。

円滑な現場内情報DXの仕組み構築

 ここまでの情報を纏めると、便利なアプリやサービス導入が進んでも、情報周知観点での建設DXは「元請社員」にしか浸透していかないという事です。

円滑な現場内情報DXの仕組み構築として有効的な方法は2点

①全員にタブレットを支給する
②誰もが情報を取れる環境を構築する

ここで、「共有のための機会や時間を増やす」「やり方や意識づけに関する方法」は人手不足による工期遅延を加速させたり、人に依存したりしてしまい具体性に欠けるため除外します。

①全員にタブレットを支給する、については多くの企業で端末コストの壁に当たっています。下請業者の端末を利用するについても多くの議論が交わされており、現場にWi-Fi網を構築する現場が増えてきていますが未だ結論には至っていません。

②誰もが情報を取れる環境を構築する、において有効となるのが現場での「デジタルサイネージの活用」になります。クラウド型サイネージの特徴としてどこからでも情報を更新可能で、さまざまな情報を表示運用できるメリットがあります。

※USBの差替えで配信するスタンドアロン型は更新手間がかかるためここでは除外します。

下請作業員の滞在時間の長い屋外環境や、詰所/休憩所に気軽に確認できるモニターを設置する事で「電話で聞く」「事務所まで聞きに行く/印刷してもらいに行く」など情報を取得するためにかけていたコミュニケーションコストが減らせるかも知れません。

サイネージの選定のポイントとして、

①配信可能なデータの種類
②使う側が利用しやすい場所、内容になっているか
③現場内でのルール周知

となります。

①現場で扱うデータの種類はさまざまで、対応する形式が限定的である場合サイネージに併せて加工したり、そもそも配信できないケースが発生します。
②設置しても作業員の動線上にサイネージがないとそもそも利用頻度が稼げず、最後は使われなくなってしまいます。また、Windowsのようなフォルダ階層管理の場合、多くの方はフォルダ内で迷子になってしまうため、わかりやすいインターフェイスはとても重要です。タッチパネル式の場合、情報配信が一方的にならず自分で見たい情報を選べるので多くの現場の場合、適しています。
③サイネージでのコミュニケーションを始める際、新規入場者教育などにルールとして盛り込む事をお勧めします。大切な情報や解決策がサイネージにあると最初から意識付ける事で情報を自分で取りに行く積極的な情報周知体制構築が可能になります。

現場専用情報配信システム「コネクトミニ」のご紹介


コネクトミニは、現場内の情報交流を円滑にする情報配信システムです、既存の液晶モニターにタッチ枠と併せてセットする事で、低コストでタッチ情報掲示板が完成します。
https://connect-mini.com/

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