建設現場のデジタルサイネージ導入が急速化

様々な技術革新により、以前と比べて私たちの生活はかなり変わったと思います。私が子供のころは携帯電話もなく、家の電話で友達と連絡を取り合っていました。学校から家に帰ると友達の家に電話して・・・お母さんがでるとちょっと気まずい思いをしたのを覚えています。今の子供たちはみんな自分の携帯電話を持っているし、家に電話がない家庭もあるかと思います。車にしたって、自動ブレーキやバックモニターはかなり普及してきていますね。今後はAIやIoT技術も発展し、私たちの生活もどんどん変わっていくことでしょう。
さて、タイトルのデジタルサイネージですが、聞きなれない人もいるかと思います。要は大きなTVモニターのようなものです。都心の駅前ある大型モニターは、見たことがある人も多いでしょう。また、飲食店の店先にも小型のものがあったりします。USBやデータ通信によって、任意の映像や画像を映せるため、拡張性が高いのです。一枚ものの大きな液晶や小さいものを組み合わせた割安のもの、タッチパネルのもの、自動販売機内臓のものなど様々な種類があります。そんなデジタルサイネージですが、最近建設現場に導入されている事例が増えてきたようです。近所の工事現場でも通り沿いに向けてデジタルサイネージを設けて施工業者の広告や週間工程表などの工事関連の情報や週間天気予報などが映し出されておりついつい見てしまう。以前は駅前や商業施設で見かけることが多かったデジタルサイネージがなぜ工事現場に導入され始めているのでしょうか。変化の経緯について考えてみました。

建設業界の技術革新について

冒頭に技術革新の話をしましたが、建設業界においても技術革新は進んでいます。木材と鉄骨を組み合わせたハイブリット工法による木造建築物も出てきましたし、住宅の耐震性能もずいぶん向上しています。塗料一つにしても、耐候性の向上は著しいです。さらに直近では、VRシステムを活用した安全教育や、ドローンによる遠隔地の点検などの研究も進んできています。政府もi-Constructionによる生産性向上を施策に掲げており、平成30年は深化の年と位置付けられています。先日行われた日本建設業連合会の「新技術・新工法に関する講習会」では供用中の桟橋を効率的に補強する工法や水中点検ロボットの開発などのICT技術、ロボット技術が紹介されました。ゼネコン各社においても、独自の技術革新を進めていて、MR(複合現実)技術を活用したトンネル維持管理システムやAIによる地質状況の自動評価システムなど、私みたいな素人が聞いてもよく分からないような技術も出てきています。こういった技術はメディアや展示会では見かけるものの、まだ現場に普及しているとは言えず、こういった技術を身近な工事現場で目にしたことはありません。今後、普及するに従い、どのような変化をもたらすのか非常に楽しみです。

建設現場での技術革新の浸透度は?

技術革新が進めば、当然生活も変化してきます。携帯電話の普及により家の電話や公衆電話を利用する機会が減ったように、建設業界の技術革新により建設現場も変わってきているはずです。前述したように、VR技術やドローンの活用などはまだ一般的には普及していないので、工事現場でロボットが仕事をしている、というような大きな変化はありません。せいぜい、クレーンなどの重機が低騒音になっていたり、排気ガスが少なかったりする程度です。では、どのような変化が建設現場に訪れているのでしょうか。

まず、昔に比べて写真撮影の方法が変わってきています。電子黒板の普及により手書きの黒板は少なくなってきています。公共工事でも電子黒板の利用が可能になりました。写真編集アプリも使いやすくなり、現像して写真帳を作っている現場は少ないのではないでしょうか。アプリといえば、施工管理アプリを使用している現場も増えてきました。グループトーク機能や、見積書の作成がアプリ内で出来るため便利なようです。そして、タイトルのデジタルサイネージです。大通り沿いや街中の建設現場では外に向けてモニターが付いていることがあり、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。建設現場へデジタルサイネージが導入されている経緯はこういった技術革新による変化の一環なのです。

建設現場へのデジタルサイネージの普及

ここからは、デジタルサイネージの導入が他の最新技術に比べ多くの現場で行われている理由と、それによってどのような効果が得られるかを考えてみます。デジタルサイネージ導入が普及している理由は、費用対効果が高くデジタルサイネージの設置一つで複数の効果が得られる点です。ここでは代表的な三つの効果を紹介したいと思います。

朝礼看板としてのデジタルサイネージ

まず、工事現場において必要な情報をすべて集約して表示できる点です。工事現場にある朝礼看板を省略できるのです。朝礼看板にはその日の気温や湿度、その日の作業員数など重要な情報が多く書かれており、朝礼や昼礼で共有します。技術的な話をすると、コンクリートの打設や塗装工事は温度や湿度で作業に制約が生じます。朝礼看板に会社の月間目標などが書かれていることも多いです。従来の現場では、温度計・湿度計を設置し、現場監督が毎朝朝礼看板を書き換えていました。デジタルサイネージを設置すれば、気温や湿度はリアルタイムで表示されますし、その現場に応じ必要な情報を付加することも容易にできます。デジタルサイネージは拡張性が高いため各現場の特徴や工程の進捗状況に合わせた情報を表示させることが可能で建設工事と非常に相性が良いアイテムです。

見える化し情報伝達の精度を高める

次に視覚的に訴えることができ、情報伝達が円滑化する点です。他の現場での事故事例や図面を共有するのに、いちいち紙で出力する必要がなく、画像や図面の拡大表示もできるため、作業員への情報伝達がスムーズに行えます。文字に頼ることなく映像や動画を簡単に表示できることで、視覚的に訴えることが可能です。紙の使用量も大幅に省略できるようになるでしょう。最近増えている外国人労働者に対しても、映像での説明ができ意思疎通がしやすくなります。技能実習生として外国人労働者を受け入れている現場は増えてきていますが、日本語の理解が不十分だったために事故や品質の低下を招いている現場も多いです。

近隣住民様への説明責任を果たす

そして最後に、建設工事における説明責任を果たすうえ非常に効果的ということです。近年はアカウンタビリティ(説明責任)という言葉がよく使われ、建設現場であればどういった工程でどういったものを作っているのか、しっかりと説明することが求められています。説明する相手は施主であったり、近隣住民であったり、将来の利用者であったりと様々で、対応に追われている現場監督も多いのではないでしょうか。デジタルサイネージを屋外向けに設置することで、週間工程を表示させ大型車両の通行予定日を表示させることで近隣住民の方の理解も得られやすくなります。現在の騒音・振動をリアルタイム表示させることも可能です。また、自社の広告を掲示すれば宣伝効果がありますし、通学路ではイラストを表示させ子供たちへの配慮を行うことも可能です。タッチパネルに対応したものであれば、通学中の子供たちが建設現場のデジタルサイネージで遊ぶ風景も見られることでしょう。通常、これだけの配慮や工夫を行おうとするとかなりの労力が必要となりますが、デジタルサイネージの設置ですべて可能となり、省略できた労力をほかのことに活用できます。

建設現場へのデジタルサイネージ浸透度は?

今回はデジタルサイネージの設置による代表的な効果を紹介させていただきましたが、拡張性の高いものですので、他にもさまざまなことができると思います。これだけの効果があるものですので、デジタルサイネージの設置はすでに多くの現場で進められています。今では誰もが携帯電話を持っているように、今後は建設現場でのデジタルサイネージの導入は当たり前のことになるかもしれません。今後も、建設現場における技術革新に注目していきたいと思います。

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Questar

見える化アプリ開発、業務用アプリ開発、オフショア開発会社として、2012年クエスタ株式会社設立された。建設業界の現場のニーズに応えるIoTをハードウェア、ソフトウェアの両面の開発。